自覚症状の無い高血糖値状態
自覚症状のない高血糖の恐怖
糖尿病の怖いところは自覚症状が全くないまま進行してしまうことが多いことです。なんとなくだるいなどと感じ始めたとたん、外出先で倒れて緊急入院し、検査の結果重い糖尿病だったなどというケースがあります。自覚症状が出たときはかなり重症で、合併症がかなり進んでいる可能性が高いのです。健康診断で血糖値が高いと言われているのに、自覚症状がないからといって放っておくのはきわめて危険なことなのです。
高血糖がある段階を越えて進行すると、さまざまな自覚症状が現れます。しかし現れ方には個人差がありますし、この症状は糖尿病のどの段階のもの、こちらの症状は糖尿病発症前の高めの血糖値によるものなど、区別することも出来ません。
血糖値が高い人で、糖尿病に伴う高血糖によくみられる症状がある人は、出来るだけ早く検査を受け、正確に症状を把握し、適切な治療を受けることが不可欠です。
命にかかわる糖尿病の合併症の怖さ
糖尿病が本当に怖いのは、さまざまな合併症を引き起こすことです。それも失明や足の切断などの深刻な事態を招くばかりか、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわるものまであります。脳梗塞や心筋梗塞は糖尿病でない人にも起こりますが、糖尿病があると頻度が高まります。
また、糖尿病の三大合併症と呼ばれる次の三つは、糖尿病患者だけに見られる合併症です。
1)糖尿病神経障害
末梢神経が高血糖で傷害されることで起こる病気です。糖尿病の発症から3〜5年で起こってくる症状です。最も多いのは足のしびれで、進行すると痛みや熱さを感じなくなり、足の先に怪我をしても気がつかないまま壊疽(えそ)を起こしてしまうケースがあります。こうなると症状によっては足の切断手術をしなければならなくなります。また、自律神経が障害されると、めまいやたちくらみ、発汗異常、便秘、下痢、尿の排泄異常などが起こります。
2)糖尿病網膜症
高血糖の状態が続くと眼球の内側を覆っている網膜の毛細血管が傷害され、出血が起こります。気付かないまま放置しておくと、出血範囲が広がり、大幅な視力低下を招きます。さらに進むと大出血を起こし、失明に至るケースもあります。毎年3000人を越える人が糖尿病で失明しており、日本人の中途失明原因の第1位になっています。 3)糖尿病腎症 腎臓は血液を濾過し、老廃物を濾過して体外に排出する役割を担っています。しかし高血糖の状態が続くと、血液のろ過を行う腎臓内の糸球体(しきゅうたい)という組織の毛細血管が傷害されて機能が低下し、腎不全という状態になります。こうなると老廃物が排泄出来ずに体内にたまり、場合によっては尿毒症という命に関わる病気を起こしてしまいます。腎不全が進むと、人工透析を行って、老廃物を除去しなければならなくなります。新たに透析が必要になる糖尿病腎症の患者は毎年1万人を優に越えるといわれています。 4)その他の危険な合併症
命にかかわる心臓病や脳梗塞の直接の原因になる動脈硬化や、突然倒れてしまう糖尿病昏睡など、糖尿病の合併症は数え切れないくらい多くあります。糖尿病の治療は合併症との戦いといっても過言ではないのです。
